振り子

五月。
陽射しが強くてでも風はまだ温くない、そんな日が続くゴールデンウィークだった。所謂お出かけ日和。
あまりに天気がいいと死にたくなる。気分がいいから、このままどっかでぽーんと車にでもはねられて死ねたら最高だななんてぼんやり考えながら歩く。


私の人生にはもう登場しないと思っていた人が、最近になって連絡をくれました。
思えば、「死にたいくらい」いい陽気だ、なんて妙なことを言い始めたのもその子だった。去年の今頃のことです。
感傷的なところがよく似ていたし、自己陶酔がちなところもよく似ていた。わりと無神経で、嘘が下手だった。

離れていった人がまた歩み寄ってくれることは嬉しい。でも同時に恐怖でもある。だいたいそういうのは喧嘩したりしたのではなくて、小さなことの積み重ねで遠ざかった人だから。またどんなことで離れていくか分からないから。

天気が良い日は死にたくなる。気分がいいうちにいろいろ終わらせたいんです。次の五月は一年後なので。