部屋

今日は11時過ぎに起きました。iPhoneのアラームが鳴ったのは8時。夢現のまま止めて、寝て、30分後に目が覚めて、体が重くてまた寝て、覚めて、寝て、夢と現がぐしゃっと混ざってはゆっくり分離するのを繰り返していた。束の間白く濁るドレッシングか何かのようでした。

なんだかいやに体がだるいのは一昨日の寝不足のせいだろうと思っていたら、なるほど台風が近づいているらしい。ベランダの先に広がる公園の、生い茂った五月の木々ががしゃがしゃと音を立てている。薄曇りで、明るくも暗くもなく、冷たくも温くもない。
学校に行くのは諦めて、母の作り置いてくれた弁当を食べて、コーヒーを淹れた。注いだ牛乳がゆっくり広がるのを眺めてから一口飲みました。


ずっと同じ部屋に住んでいるので、時々思い立って整理をするとびっくりするほど古くてくだらないものがたくさん出てくる。小学生の頃使っていた鞄だとか。中学生の頃使っていたインク切れのボールペンだとか。
世に言う「断捨離」というやつが本当に苦手。細々としたお気に入りや日常に要らない愛着をもってしまうので、部屋の中はどうでもいいようなものでだんだん埋め尽くされていく。それらは地層をなして、或いは部屋の隅へ隅へと押しやられて、普段はすっかり忘れてる。


忘れていても勝手に消滅してくれたりはしないわけで、時々全てをひっくり返して要らないものを捨てなきゃいけないんだけど。捨てなきゃいけないんだけど。

それを私は掘り起こし眺めて、いろいろ思い出して、またなぜか違う箱に入れて片付けたことにしてしまうのです。
またそのうち部屋の中でばったり遭遇してあぁとなるのは目に見えているのに。

そんなことを何度も、何年も、ずっと繰り返しています。


同じ街に住んで、同じ道を通って、同じ電車に乗って、関わる人の顔ぶれだけが少しずつ移ろっていくとまた、私の中に地層ができていく。ちょっとしたことで地層を崩して足の踏み場がなくなる。今のものと今までのものが混ざって、感情みたいなものが、色みたいなものが、散らばる。

同じ人間として生きているうちはきりなく繰り返すだろうとは思うけど、そんな自分の頭の悪さを認めたくないので、また改善するほどの気概もないので、住む街のせいにします。


ガタガタやっていたら部屋の中が埃っぽくなったので窓を開けた。
肌寒くなってきた気がする。
今夜じゅうに雨が降り始めるのか、ニュースを見ていないので、知らない。